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板金が難しい鉄板(高張力鋼板)のお話し

こんにちはオオクボ自動車、大久保です。
今日は皆さんに鉄板の話をしたいと思います。みなさんは高張力鋼板という言葉を知っていますか?車に使っている鉄板のことです。
最近の車はほとんどが高張力鋼板を使用しています。

車は燃費改善という難題を解決するために軽くする必要があります。とするとボディやシャーシの鉄板を薄く・軽い材質にする必要があるのです。 しかし、薄くて軽いだけだと衝突安全基準をクリアできません。そこで、薄くて軽くても強度を保つことのできる高張力鋼板が採用されています。
ボディは高張力鋼板を使います。フロアやフレームは超高張力鋼板や超超高張力鋼板などの更に軽くて丈夫な鉄板が使用されています。

実はこの高張力鋼板が、板金屋泣かせで板金作業を難しくしている代物なんです。
まず工具なんですけど、高張力鋼板用のドリルやエアソーが必要になります。普通のドリル歯だと歯が持ちません。(実際には歯を変えるだけではなく専用のドリルやエアーツールが必要になります。)
オオクボ自動車もいろいろ機材を交換しました。

さらに、パテを使う時に大きな難問が待ち構えています。板金にはパテがつきものです。叩き出しだけで面だしが出来れば理想かもしれませんが、実際はパテは面だしの必須アイテムです。
このパテを高張力鋼板に使用するときに問題が発生します。

パテは硬化時に熱を発生します。…そうですこの熱が面だししてる鉄板をゆがませるのです。鉄板表面にはパテがあるのですが、裏面には何もないので、表面と裏面で膨張率が異なり歪んでしまうのです。
このゆがみを防ぐためにどうするか…鉄板の表と裏で膨張率が異なるために歪むのなら同じ膨張率にすればいい…ということで裏面にもパテを塗って歪みを防ぎます。
最近は裏塗り専用のパテも販売されています。

こんな手ごわい高張力鋼板ですが、車にとってはメリットが大きいのでこれからも採用は拡大していくはずです。
オオクボ自動車では高張力鋼板に対応するために板金技術革新をドンドン進めていきます。